「十五夜」とは旧暦8月15日の月を指し、お月見をする習わしがあります。「中秋(ちゅうしゅう)の名月」とも呼ばれ、2022年は9月10日(土)です。この頃はイモの収穫期に当たるため、「芋名月」の別名も。月見団子、サトイモやサツマイモなどのイモ類、ススキ、秋の七草などをお供えして、実りの秋に感謝しながら名月を鑑賞してみてはいかがですか。
この頃は大気が澄んで月が美しく見えるため、中国では唐代の頃から「中秋節」という観月の宴を催していました。日本には平安時代に伝わり、貴族が十五夜(中秋の名月)を鑑賞するように。江戸時代にはこの風習が作物の収穫祭と結びついて庶民の間にも広まり、豊かな実りの象徴として十五夜(中秋の名月)を鑑賞し、お供え物をして感謝や祈りを捧げるようになりました。
十五夜のお供えの定番は月見団子。月見団子は穀物の収穫に感謝し、米を粉にして丸めて作ったことが始まりと言われます。月に見立てた丸い団子をお供えし、それを食べることで健康と幸せを得られると考えられていました。
十五夜では団子を15個お供えします。並べ方は、下から9個、4個、2個。
〇里芋やさつま芋
十五夜は「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれ、イモ類の収穫を祝う行事でもあるため、サトイモやサツマイモなどもお供えするとよいでしょう。
お供えものは、下げて食べることが大事。お供えものをいただくことで、神様から力をいただき、結びつきも強くなると考えられているからです。事前にきちんとお供えできない場合、夕食にサトイモやサツマイモ料理、月見団子を用意し、短時間でも感謝の気持ちを込めてお供えしてから食べるようにすれば大丈夫です。
〇秋の七草
お月見にはススキもお供えします。ススキはたわわに実った稲穂に通じ、茎の内部が空洞になっているため、神様の依り代になると信じられていました。
また、ススキは秋の七草の一つ。秋の七草とは、秋を代表する7種類の花で、萩(ハギ)、桔梗(キキョウ)、葛(クズ)、藤袴(フジバカマ)、女郎花(オミナエシ)、尾花(オバナ=ススキのこと)、撫子(ナデシコ)です。
春の七草が七草粥にして無病息災を祈るのに対し、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものです。お月見の際にススキと一緒に飾り、彩りを添えてみてはいかがでしょうか。