宮崎新富ライチ

1%しか流通していない国産ライチが我が家の食卓に登場しました。国産ライチの中でも「甘味」と「酸味」が絶品だと言われている貴重な宮崎県新富ライチを家族で食しました。

娘はライチが大好きで、冷凍ライチはよく食しますが、6~7月のたった1か月間しか市場に出回らない生ライチは、なかなか食する機会がありません。箱を開けるとルビーのような存在感があり、皮をむくと透明感のあるつやつやの白い果肉が現れます。
冷凍と違って、それはそれは香りもつややかさも、果汁もあふれるばかりに零れ落ちてきます。

さて、今日は専門的な話をしましょう。

★ライチに含まれる栄養素は次の5つ
① 体内の余分な塩分を外に排出してくれる「カリウム」
塩分を摂り過ぎは、高血圧の原因となるほか、むくみを引き起こすこともあります。このような症状を予防・改善するには、カリウムを意識的に摂取することも重要です。

② 赤血球形成を助けてくれる「葉酸」
ビタミンB群の一種である葉酸は、たんぱく質やDNAの合成に関与している栄養素です。細胞の分裂・増殖と深く関係するため、体の発育には欠かせません。
特に胎児の正常な発育に不可欠な栄養素であるため、妊娠を希望する方や胎児の細胞増殖が盛んな妊娠初期の方では積極的な摂取が推奨されています。

③ コラーゲンの生成に欠かせない「ビタミンC」
ビタミンCは、抗酸化作用により体内の老化を防止してくれる作用があるほか、コラーゲンの生成にも関与しています。このような作用により、紫外線によるメラニンの生成を抑えたり肌のハリを維持したりするなど、美肌を目指せる栄養素です。

④ 活性酸素を抑えてくれる「ロイコシアニジン」
ロイコシアニジンは、ライチに含まれるポリフェノールの一種です。ポリフェノールには抗酸化作用があり、さまざまな効果が報告されています。健康や美容にとってうれしい成分であることは間違いないでしょう。

⑤ 便秘解消を助けてくれる「食物繊維」
食物繊維は整腸作用など、健康にさまざまな効果をもたらしてくれる成分です。十分に摂取することで便秘解消に役立つほか、生活習慣病の予防なども期待できます。

★ライチは1日何個まで?
 厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」では、1日あたりの果物の摂取量について200g(皮や種を除き)程度を推奨しています。ライチ1個がだいたい20gで、皮を取り除くと食べられる部分は14gであることを考えると1日の適量は14個程度です。小粒のライチはついたくさん食べてしまいがちですが、意外にカロリーや糖質が高めです。食べ過ぎるとカロリーオーバーを招いたり、血糖値に悪影響を与えたりする可能性があるため、食べ過ぎには注意しましょう。

★ライチを食べる際の注意点
 ライチは、食べると口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどの症状が出現する「口腔アレルギー症候群」を引き起こすことがあります。特にシラカンバの花粉症のある方がライチを食べると、口腔アレルギー症候群が起こりやすいといわれています。
多くは時間とともに症状が消失します。
花粉症があり、ライチを食べて口の中がイガイガしたり喉が詰まるような感じがあったりする場合は、念のため医療機関を受診し医師に相談してみましょう。

★ライチの健康効果を最大限に活かす方⑦法は?
 できるだけ生でそのまま食べましょう!!
ライチはジャムに加工したりお菓子作りに使えますが、ライチに含まれる栄養素ビタミン類は加熱調理によって損失します。ライチの栄養を丸ごと取り込むには、できるだけ生のまま食べましょう。コンポートなどにする場合は、煮汁(シロップ)も一緒に食べると効率よく栄養素を摂取できますよ。

10年間も研究を積み重ね、完成させた宮崎新富ライチ。
そして出荷1か月間のために1年間大切に大切に育てられた宮崎新富ライチ。口の中にいっぱい広がる生ライチ・・・宮崎県民であることに誇りを感じた瞬間でした。
  文責: 管理栄養士 野田恭子

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